top of page
texture2.jpg

B i o g r a p h y

04_Aurélien_Dumont ©︎Ayane Shindo.jpeg

オレリアン・デュモン Aurélien Dumont(1980~)

 

トゥール大学医学部にて音楽療法、リル大学で芸術美学を修了後、ケルン音楽大学で電子音楽、さらにパリ国立高等音楽院、IRCAM(フランス国立音響/音楽の調整と探究研究所)で作曲の研鑽を積む。ジェラール・ペソンに師事。2016年、高等師範学校に設置された国立高等科学芸術創造探究博士課程(通称SACRe)を修了、フランス初の作曲博士となる。現在フランス文化省の派遣によりヴィラ・メディチ(在ローマ・フランスアカデミー)に滞在中。

 

哲学者フランソワ・ジュリアンの提唱する「他性」(他者との関係性)の問題や、音色と形式との相関の探求に主眼を置いた彼の音楽は、O.G.M.(遺伝子組み換え物質)をもじったO.E.M.(美学組み替え物質)とのコンセプトや、ディキンソン、ボルヘスなどの文学作品、詩人ドミニク・ケレンとの緊密な恊働に発想を得て、オペラ、カンタータ、バロックアンサンブル曲などの言葉を含む作品、コンピュータを用いた電子音響作品などに結実している。

源氏物語に触発された《垣間見》(2012、アンサンブル室町委嘱作品)、能「安達原」に基づくモノオペラ《秘密の閨》(2016年あいちトリエンナーレにて完成版初演、フランス文化省委嘱作品)、作曲中の室内オペラ《卒塔婆小町》(三島由紀夫の『近代能楽集』より、ユルスナールの仏語訳による)など、日本文化への強い敬意と情熱を反映した作品も多い。

さまざまな社会問題をはらむパリ郊外での初演時より大きな話題となったビューヒナーの戯曲に基づく室内オペラ《シャンティエ・ヴォイツェック》(2014、フランス文化省委嘱)には、少年時以来のプログレッシブ・ロックへの傾倒の影響もみられる。

 

これまでに、フランス学士院よりピエール・カルダン賞、3年に及ぶサン・フェデレ作曲コンクール優勝(ミラノ)、初の作品集CD『While』(2015)に対してアカデミー・シャルル・クロ奨励賞など数々の賞を受賞。2枚目のアルバム『Stillness』(2018)がル・モンド・セレクションに選ばれるなど、近年目覚ましい活動を展開している。

update : 2018, January 

bottom of page